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黒染めしたら明るくできない?現役美容師がオススメする【黒染め直し】

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就職活動や務めている会社の規定、はたまた「黒髪の流行」などにより黒染めをしたものの ”やっぱり明るくしたい!”と思うのが女性というものです。そんな女性たちのワガママを叶える方法を今日はご紹介します。あ

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黒染めした髪を明るくする方法

黒染めした髪を明るくしたいと美容室へ行ったものの、担当美容師さんから「いや、それはちょっと、、」と言われてしまった事はありませんか?

そう、我々美容師にとって黒染めとは「最大の宿敵」なのです。

黒染めであっても必ず美容室で

phl出典:http://www.bl-eye.jp

まず大前提として、髪を黒くしたい!と考えた際は必ず担当美容師さんに相談する事を推奨します。

大きな理由としては2点。

1【市販の黒染めの染料濃度】

i320出典:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
基本的に市販品の黒染めに関しては、染料濃度が高いです。理由は簡単、黒くならなければ商品として成り立たないから。
ある程度どういったベースの髪にも対応できるよう、基本染料は濃いと思ってください。
(ナチュラル系の髪色戻しなどもあるので一概には言い切れませんが、基本的には)
また「黒くするだけなら傷まないでしょ」と思っている方も多いですが、意外にも市販品の黒染めはアルカリ度(わかりやすくいうと薬剤のパワー)は強めです。

2、【黒染め履歴の把握】

個人的にはこの問題が一番、美容師さんを悩ませる問題かと思います。ヘアスタイル作りというのは「単発」のものではなく「長期的」に作りあげて初めて理想形に近づく事が可能となります。

・何週間前に
・どのような薬剤で
・髪のどの部分を
・どういったプロセスで

施術したのかという【履歴】を把握することが、理想のヘアスタイルを作る上で非常に重要になるわけです。中でも「黒染め」に関しては、それらの要素に特に左右される施術の一つである事は言うまでもありません。

同じ「黒髪」でも別物

・黒染めを施された「黒髪」

・地毛の「黒髪」

この2つは一見みた目は同じですが、実際は天と地ほど違うという事をまずは覚えておいて頂けるといいかと思います。
IMG_3716-0.PNG出典:http://howto-henna.jp

前置きが長くなりましたが、僕ならこうするという【実践編】をご紹介します。

実践編

まず、一般的に黒染め直しに良く使用されるのが『ブリーチ』だと思われます。

IMG_3714.JPG出典:http://salon-zairyo.com

これはなぜかというと、地毛の黒髪に含まれる「メラニン色素」と比べて黒染め毛に含まれる「染料」はなかなかトーンアップ(毛を明るく)しづらいからです。なので、トーンアップ力の高い「ブリーチ」が用いられる事が多いわけなんですが、このブリーチを用いた黒染め直しでよくよく起こる失敗ケースが逆プリンです。

IMG_3715.JPG出典:http://photozou.jp

つまり、一見みた目は真っ黒な髪の毛でも実際は根元から数cmは「地毛の黒」それより先は「黒染めの黒」と、一本の毛に二種類の毛が混在しています(場合によっては数種類)

この毛に対してブリーチをすると、どうなるか?

もうおわかりかと思いますが、比較的トーンアップしやすい根元の地毛の部分は明るくなりトーンアップしづらい黒染め部分は僅かなトーンアップしかされず、結果として根元が明るく毛先が暗い【逆プリン】状態に仕上がるわけです。

稀に街中でそういった状態の方を見かける事があるかと思いますが、あれは99%これが原因と思われる事例だと思って良いです(おそらく黒染めもその後のトーンアップも自身でやった可能性が高い)

どこからどこまでが「地毛」で

どこからどこまでが「黒染め毛」なのか
見た目ではわからない事が、この施術の難しいところです。ですから『施術履歴』を把握する事が重要なのです。

それでも自分で黒染めをする方はいますが、、

『ブースター』を用いた新提案

こういった事例から、僕は黒染め直しに『ブリーチ』は使用しません。

代わりに使用するのが『ブースター(脱染剤)』です。

このブースターの優れているところは『地毛のメラニン色素は壊さず、黒染め(通常カラーも含む)の染料のみを壊す』というところです。つまり、地毛と黒染め毛が混在している毛髪に対してこのブースターを用いると黒染め部分だけがトーンアップされる。

という事です。黒染め部分だけをあぶり出すような感覚ですね。

結果、根元の地毛の部分は変わらず、黒染め毛の部分はトーンアップされます。一度の施術ですべての染料をとる事は難しく多少の赤味は残ります。この場合、再度ブースター処理をしても良いですが、僕の場合は通常のアルカリカラーで仕上げる事がほとんどです。

つまり、

根元の地毛の部分は通常通りアルカリカラーで狙った色味へトーンアップし、

ブースター処理をして少し赤味の残った黒染め部分へは、残留ティント(赤味)分を逆算してアルカリカラーで赤味を消しながら希望の色味へとティントコントロールしていく。

という流れです。希望の仕上げりが赤系のカラーであればそのまま残留ティントを生かしていきますし、寒色系のアッシュやマットであれば残留ティントを打ち壊しながら希望色へとコントロールしていきます。

オオイケの方法まとめ

1、ブースターを用いて黒染めの残留ティントのみを取り除く

2、通常通りアルカリカラーで希望色へとアタック

このプロセスで筆者は【黒染め直し】にチャレンジします。ブリーチを用いたプロセスよりリスクが低く、失敗が少ないかなと思います。

が、

当然、ブースターを用いたプロセスでもリスクは伴いますしダメージもついてきます。

IMG_3720.JPG出典:http://beauty.hotpepper.jp

まずは黒染めをするタイミングからしっかり担当の美容師さんと相談し、その後のスタイルチェンジも踏まえた最適なプロセスを踏んでいく事が必要不可欠かと考えます。

ヘアスタイルは長期的に作り上げる、共同作業ですからね。

ぜひご参考ください。

ではでは

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